成年後見人の仕事

成年後見人の仕事には、大きく分けて「財産管理」「身上監護」の2つがあります。

ここでの身上監護には、現実の介護行為は含まれません。

また、食料品や衣料品等を購入するような日常生活に関する行為については、本人が自由におこなうことができます。

ただし、本人の居住用不動産を処分するには家庭裁判所の許可が必要となります。

「処分」は売買だけでなく、賃貸や抵当権の設定等の行為も含まれます。

財産管理と身上監護

1. 本人および関係者との面談

今後の後見事務を遂行していくために、被後見人およびその関係者と面談します。

2.財産関係の書類や印鑑の引渡し

現金、通帳、有価証券、不動産権利証、実印、銀行印、印鑑登録カード等をそれまで管理していた人から受け取ります。

3.銀行、保険会社等への届出

書類や印鑑等の引渡しだけでなく、直接、銀行保険会社等に成年後見人の就任を届け出ます。

4.登記事項証明書の入手

成年後見人であることを証明するために法務局で発行してもらいます。

5.財産目録の作成

被後見人の財産を調査し、1ヶ月以内に財産目録を作成して裁判所に提出します。

6.年間支出額の予定

1年間に支出する金額を予定し、収入とのバランスを明らかにします。

家庭裁判所は、必要があればいつでも成年後見人に対し、報告を求めることができますが、実務上は年に1回程度の報告で済むことが多いです。

ただし、本人の居住場所が在宅から施設に変わったり、入居先の施設を移る等して本人の生活環境に変化があった場合、重要な財産を処分した場合はその都度、家庭裁判所へ報告する必要があります。

家庭裁判所からの指示に従わずに定期的な報告を怠ると、家庭裁判所が成年後見人を解任することがあります。